輸送プロセスの省人化
LOGISTICS4.0による省人化によって、最も大きな変革がもたらされる物流プロセスはトラック輸送である。
国内の貨物輸送に占めるトラックの分担率は、トンベースで90%超、トンキロベースでも50%を超える。
そして、人件費が高い日本では、トラック輸送に要するコストの40%近くをドライバーの人件費が占める。
つまり、自動運転の実現は、物流のコスト構造に大きなインパクトをもたらすと言える。
世界最大のトラックメーカーであるダイムラーは、2025年までの実用化を目標に、自動運転トラックの開発に取り組んでいる。
15年に公開された自動運転トラック”Freightliner Inspiration"は、交通量の多い高速道路を時速80キロで自動走行できる。
荷役作業の省人化
アマゾンは2012年にロボットメーカーのKiva Systemsを買収し、ピッキングプロセスの抜本的自動化を進めている。
同社の倉庫ロボット”Kiva”は、掃除ロボットを少し大きくしたような形状であり、保管棚ごとの下に入り込むことができ、出荷する商品を保管棚ごと持ってくることができる。
アマゾンでは、ピッキングの作業員を1日に20キロメートルも歩かせる労働環境が問題になっていたが、”Kiva”を導入した物流センターでは”作業員の歩行”が不要となった。
”Kiva”は、既に1万5千台以上が導入され、各物流センターの労働生産性を高めることに成功している。
アマゾンは、保管棚から商品を取り出すことのできるピッキングロボットの開発も進めており、”人の介在”を必要とするプロセスは尚一層少なくなると目される。
ロジスティクス4.0
在庫の代わりに3Dプリンターをセンターに設置し、ロボットがピッキングした商品を無人運転トラックで輸送する──そんな時代が近くやって来るという。物流サービスのモジュール化が進み、マスカスタマイゼーションによって絶対単品管理が常識になる。ロジスティクスの革新が進む。
日立物流が挑むスマートロジスティクス
日立物流は4月、新型物流ロボットの実運用を開始した。庫内作業に必要な人数を従来の3分の1に減らすことができると見込んでいる。完全自動化に向けた研究開発も並行して進めている。物流業の革新を目指す同社の「スマートロジスティクス構想」が本格的に動き出した。
日本が先導する最新テクノロジー
ZMP《ロボット台車》
作業者の後ろを追従して台車が自動で走行
ロボット開発の過程で生まれた自動走行機能を手押し台車に搭載した。台車を押す作業者の後ろをカルガモの親子のように付いていくことで何度も同じルートを往復しての搬送作業の業務負荷を軽減させる。移動ルートを設定すれば台車のみの自動走行も可能だ。人手不足に苦慮する物流現場のみならず、台車を利用する幅広いシーンでの活用が期待されている。
JPR《次世代パレット管理システム》
RFID技術で物流容器をトレース
0 件のコメント:
コメントを投稿