ニコラス・ラーディ ピーターソン国際経済研究所
雑誌より抜粋
中国では、製造業と投資への過剰な依存からの転換が進んでいる。
人民元がかつてのように過小評価されていないのも、こうした構造転換を後押ししている。
電力消費量では中国経済はわからない。
電力消費量の伸びが落ちていることを中国経済低迷の証拠だという人は、そした変化を理解していない。
まるでバックミラーを見ながら車を運転しているようなものだ。
同じ単位当たりGDP(国内総生産)を創出するのに、
製造業はサービス業の6倍の電力を必要とする。
だから、2000年代には、GDPが10%成長すると、電力需要は12%増加した。
しかし、現在では中国の成長のほとんどはサービス部門がもたらしている。
外国人が保有しているのは中国株式市場の時価総額のたった3%にすぎず、公債に占める割合はそれよりさらに低い。
中国の家計には人民元で抱え込んでいる預貯金が膨大にあり、その額は中国のGDPの100%に相当する。
中国が制限なしに資本取引を自由化するとは思えないが、仮にそうした場合、
流出が上回るなら人民元高になりうる。
中国は、為替レートが財・サービスではなくファンドの動向によって決められるような環境に移行しつつあるのだ。
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