2017年8月7日月曜日

投稿日 2017年8月7日月曜日

詠みかじり - 良い貿易、悪い貿易 - エコノミスト(28MAR17)

P30より

”メキシコで130万人失職。

米国国民の自由貿易への懐疑心を決定的なものにしたのは北米自由貿易協定(NAFTA)である。昨年の米大統領選でも争点になったメキシコからの不法移民問題もNAFTAに原因がある。

米国国内のメキシコ出身の不法移民の数は、1990年には200万人程度だったが、94年のNAFTA発効後に激増し、07年のピーク時には3.5倍の690万人に達した。

米シンクタンクの経済政策研究所の推計では、NAFTA発効から10年の間に、米国では製造業部門を中心に69万人の雇用が失われた。

メキシコでは、NAFTAによって米国から大量の安価なトウモロコシが流入し、古代マヤ文明以来の主食自給体制が崩壊した。

米国産トウモロコシの輸入量はNAFTA発効前の92年には130万トンであったが、07年に790万トンと6倍に増加した。

米国のシンクタンクのカーネギー国際平和財団の試算によれば、NAFTA発効から10年で、メキシコは製造業部門で50万人雇用が増加したが、農業部門では130万人の失業をもたらした。

農村の生活基盤が崩壊し、暮らせなくなったメキシコ農家は国境を越えざるを得なくなった。

米国でもメキシコで増えた仕事より失った仕事の方がはるかに大きいのである。

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