2017年6月2日金曜日

投稿日 2017年6月2日金曜日

読みかじり - 超・格差社会アメリカの真実 単行本(ソフトカバー) – 2006/9/21 小林 由美


”P4
富の分布が平準化した1930年代から第二次世界大戦後に至る20世紀半ばのアメリカ - このアメリカこそが、終戦直後から70年代まで、日本人があこがれた”豊かな中産階級社会”だったーは、歴史的に見るとむしろ例外的な時期だった

P71

●給与税に目をつけたグリーンスパン

社会保障税は大恐慌の最中、1937年に導入された税で、給与税(Payroll Tax)と通称される。

その名の通りすべての労働報酬が対象になり、賃金や給料の総額から、同一の税率で天引きされる。

税の目的は老後の年金給付や老人医療補助、病気などで働けない人の生活保護などに使われることになっていて、最低限の生活を保証する、最も基本的な社会的枠組みである。

国民年金制度と呼ぶ人もいるが、働けるときに貯蓄しておいて老後に使うわけではなく、今働いている人から徴収して、今引退している人に払うわけだから、年金制度ではなく、課税制度と言う方が正しい。

アメリカは戦後日本の憲法を作成するにあたって、最低限度の生活を保証する理念(Civil Minimum)を織り込んだが、それはアメリカが誕生して間もないころだった。

日本の憲法はアメリカが最も左傾化していた時期に作られたものだから、社会民主主義の色彩がとても強い。
アメリカが右傾化している今作られたとしたら、かなり違った内容になっていただろう。

グリーンスパンは個人、法人両方の所得税を引き下げつつ、財政支出を増やし、かつ政府借り入れを減らして金利を引き下げる。そして給与税の税率も限度額も大幅に引き上げる。
・・・・・
ワーキングクラスが負担する給与税と、主に富裕層が負担する個人所得税は、総額が等しくなったのだ。


P174

ヨーロッパにも宗教は」あるけれど、スピリチュアルなこととサイエンスは別個に扱われている。でもアメリカのキリスト教は疑問を持たないことが信仰だと思っている。。。。
人間の価値と、その人の経済価値は違う。でもアメリカではそれが一つになっている。


▲知識や教育より信仰を重んじるエヴァンジェリカルの伝統

北東部と西海岸の一部を除いた地域、つまりアメリカの大半の地域では、高等教育を受けた人に対する反感は一方で未だに根強い。


エヴァンジェリカル(福音主義、アメリカではカソリックに対する宗教改革派の総称)の基本思想は、聖書を神の言葉としH、キリストを信じることによって、人々は聖職者というミドルマンを介在しなくても神と直結でき、救われるというものだ。そして神が人間に授けた基本的な知恵は、強いFAITH(信仰)によって強化され、強い信仰を持って優れたキャラクター(人格)に成長した人は、正しい判断を下せる。だから知識や教育よりも信仰の方が遥かに大切である。
人工的な教育は信仰を弱め、神が人間に与えた本来の知恵を壊し、優れたキャラクターを作るうえで逆効果である。したがって高等教育を受けた人間は信用できない。 - つながるわけだ。


P180

バプティストのうち、靴を履いているのがメソジスト、メソジストのうち大学教育を受けたのがプレスビテリアン、プレスビテリアンのうち投資収益で生活しているのがエピスカパリアンとう4大宗派になった。”


超・格差社会アメリカの真実 単行本(ソフトカバー) – 2006/9/21


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