P73(ジョージ・フリードマン寄稿)
「100年予測で示したように、これから世界でパワーを持つ「三強国家」はポーランド、トルコ、日本だ。
日本の強みは、安定した社会であり、バブル崩壊後の経済低迷も、社会不安を起こすことなく乗り切った。
一方、「対立」とは言わないが、日米間には利害の不一致が生じる恐れがある。
米国は世界の海洋を支配している。
これは日本の恩恵にもなるが、危険なことでもある。
米国は政策を絶えず変える予測しがたい国だ。
だから、日本は自前の海軍で中東油田の権益を守る必要がある。
そうなると、何が起こるか。
米国は、日本の軍備増強を、自国の太平洋支配への潜在的なチャレンジと考えるだろう。
その結果、日米関係には緊張が生じる。
●中東のカギを握るトルコは大国になる。
トルコは中東の平和のカギを握っている。
中東をまとめられるのは、米国ではない。 トルコだけだ。
シリア内線にかかわることを自ら決めたのもトルコだ。
今後20-30年にかけて、トルコは中東で権勢をふるうだろう。
そして、地中海の大国となり、米国に戦いを挑むかもしれない。
トルコと日本は強大な海洋国家だ。
両国が軍事的パワーを持つにつれて、エネルギーなど、あらゆる点で利害の一致が見られるだろう。
お互いに必要な国とみなすようになるのだ。
ポーランド経済はまだ発展途上だが。。。
まず、ドイツが非常に脆弱だということを念頭に置かねばならない。
ドイツ経済は、国内総生産(GDP)の多くを輸出が占めている。
輸出の半分は欧州連合(EU)へのものだ。
だから、あれほどまでにEUの連帯に固執するのだ。
だが、輸出にここまで頼っていていいはずがない。
一方、ポーランドは、他の欧州諸国に比べ、出生率もまずまずだ。
米国とは、対ロシア戦略で非常に密な関係を築いている。
●中国が日本を攻めることはない。
中国は脆弱な国だ。
大規模な軍事力を有しているが、それは、国内の治安部隊としての存在だ。
▲日本にとって最大のリスクは、日米関係の悪化だ。
米国の政策変更により、日本が資源へのアクセスを保証されない事態に陥ることだ。
●日本の最大の強みは、一枚岩の社会だ。
政治的、イデオロギー的に分断されていない。
日本社会には、立ち直る力や連帯感がある。
人工が減っても、社会の団結力や経済の効率性、高い勤労倫理で、どうにでもなる。
ロボット工学でイノベーションを起こし、GDPを維持することも可能だ。
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