P64より抜粋
現代社会におけるプラットフォームとはすなわち、ネットワークです。
そしてネットワークは、大きく「情報」「物質」「貨幣」の三つから構成されると整理できます。
この三つが融合してどう変化するのかが、プラットフォームの進化を読み解く手がかりになります。
情報はビットで表現できるため、ネットワークにおいて移動が容易であり、コピーも可能であるという特徴を持ちます。
IOT時代には物質の情報化が進み、最新のテクノロジーの力で貨幣のネットワーク化も進むことで、それらをすべてネットワークで交換できる世界が実現するのではないでしょうか。
★従来、物質の移動にはコストがかかり、コピーはできないという特徴がありましたが、情報化が進むことで移動のコストを最小化できるようになり、コピーが可能になることで物流の最適化も進むと考えられます。
物質の情報化はすでに起きており、3Dプリンターによってその流れは加速しました。
例えば、顧客に商品を届けるまでの流れをどのようにコントロールするか。
これまでのように倉庫のストックしておいた商品を届けるかもしれないし、手元にあるデータのみを送り、3Dプリンタービューローで出力してもらうようにお願いするかもしれません。
受け取る人からすればプロセスは関係なく、商品が同じでありさえすればいい。
必ずしも実際の物を動かす必要はなく、欲しい人がその商品を得られればよいのです。
P66
私たちが研究を進めている拡張人間(AH:Augmented Human)の世界観が実現すれば、移動手段すら不要になるような未来も。。。
AHとは、VRやARの技術を発展させて人間を強化するという考え方です。
たとえばすでに、人間の感覚と小型無機のドローンとつなげることは技術的に可能です。
ある人が頭部搭載ディスプレーをつけてそこにドローンの映像を流し、その人の動きに対応して遠隔地にあるドローンが飛行する。
それによって、自分がドローンで空を飛んでいるような感覚を覚えます。
これは人間の身体能力そのものが拡張されたといえるでしょう。
p68
プライバシーを公開することに抵抗がある人は多いと思いますが、100億円の報酬をもらえるのであればすべて見せてもいいとう人もいるでしょう。
そこまで大げさではなくても、歩行中にどの看板を見たかという視線情報を売ってもいいという人は相当数いると思います。
グーグルグラスを装着して得た視線情報を売るということは、プライバシーをお金に替えているのです。
どこまでプライバシーを見せるか、その対価はいくらか、という基準を自分で決められるとしたら、ビジネスになる可能性は低くないと思います。
P70
私たちは、ロボットを飼い猫のようにとらえ、自分の支配下に置いていると思います。
しかし、町を自由に歩き回る野良猫のように、誰の支配下にも置かれない「野良AI」がネットワーク上に発生するかもしれません。
AIがみずからクラウドサービスに対価を払い、事業を行う。
そうした自律的なプログラムが構築されれば、それはもはや手を離れていると言えるでしょう。
経済の主体になりうるので、「野良AI」はお金を持っています。
そのお金でサーバーを購入して、人間のプログラマーを雇い、初期のプログラム自体を進化させるという可能性も十分にあると思います。
人間の感情は情報化できない。。。
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