2015年7月7日火曜日

投稿日 2015年7月7日火曜日

読みかじり - 中国のEC動向 - 越境ECのモデルは海外からの「直送モデル」と「保税モデル」の二つのタイプがある。 日米中の越境ECの動向③ 業界紙より

●越境ECのモデルは海外からの「直送モデル」と「保税モデル」の二つのタイプがある。

経済産業省調査サイト
http://www.meti.go.jp/english/press/2015/pdf/0529_02a.pdf



1)中国のEC動向

世界貿易機構(WTO)の13年度発表貿易統計
金融や通信など「サービス」を除くモノの取引に限った中国の貿易総額は4兆1600億ドルとなり、初めて米国(3兆9100億ドル)を抜いて世界一になった。

米国eMARKETER社によると中国国内の小売業の売上高は14年約4兆2300億ドル(対前年比112%)で、中国国内のEC売上高は約4263億ドル(対前年比135%)となっている。EC市場において世界一の規模。

3) 中国の越境EC

越境ECの市場規模も成長
越境ECは「海淘」(ハイタオ)」とよばれ、取引額は2160億元(約4兆1700億円)に達した。ユーザー数は1800万人。

越境ECにより中国国内に届けられる商品のうち、国際郵便で購入者へ直接送付されるものは、「個人用途」の扱いになり原則免税扱いになる。

5)中国の商品

中国実店舗およびECサイトでの商品で相変わらず問題となっているのがコピー商品(模倣品)が蔓延している問題である。

中国オンラインショッピングユーザーは、
むしろ値段が国内よりも高く、配送日数がかかっても海外の信頼できるECサイトから購入したほうが正規品を入手できることを知っている。
このことが越境ECを行う一因となっている。

また、日本のメーカーによると、
中国国内の現地工場のエラーパーツをごっそり持っていかれ、ECサイトで販売されていることも多いと聞く。
パッケージデザインはファイルデータなので、コピーされてしまうことも多い。
そのため、
箱は本物、中身は偽物といったコピー品が市場に出回っているケースもあり、自社工場内の管理を徹底しているとのことである。


越境ECのモデルは海外からの「直送モデル」と「保税モデル」の二つのタイプがある。

海外からの「直送モデル」においては、海外から小包での個別配送とコンテナでの集中配送が一般的である。
海外EC事業者は中国の消費者から注文を受けるたびに商品を航空貨物便などで輸出する。
通関手続きに数週間時間がかかり、商品が消費者に届くまでに1ヵ月かかるケースもある。

一方、「保税モデル」は、13年9月に上海に設けた規制緩和の実験区、広州、杭州の保税区で試験的にネット通販向け保税倉庫活用のネット通販ビジネスとして始まった。
保税区の倉庫を活用すれば、時間とコストが節約できる。
海外事業者はコンテナ船など利用して一度にまとめて商品を安く中国に送り、通関手続きをしないまま中国国内の保税倉庫に商品保管できる。
中国の消費者から注文を受けたらその都度、保税倉庫から出庫すればよく、中国人ユーザーの手元には配送期間2-3日で配達することも可能で、従来より格段に早い。
通関手続きは商品が倉庫を出庫する時点で済ませばよく、事業者の税負担は軽くなる。
個人ユーザーにとっても、物流コストが大幅にダウンした分、安く商品を購入することができる。
また、個人向け貨物扱いとなり、越境ECの正規輸入より税率の低い「行郵税」が適用される。


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