時の余白に - 編集委員 芥川氏の記事抜粋
本当のことを云おうか
谷川俊太郎詩集
「本当の事を云おうか」
「詩人のふりをしているが/私は詩人ではない」
吉本隆明詩集
「ぼくが真実を口にするとほとんど全世界を凍らせるだろうという妄想によって/ぼくは廃人であるそうだ」
・世界はほんとうのことを口にしないことによって成立している、という認識です。
自分が正体不明の「嘘」に取り囲まれていることに気がついたのです。
随分ひねた世界観ですが、大学が荒れた時代、既成の価値が次々に地にまみれていくなかで、信頼に値するものといえば、自分には詩の言葉ぐらいしかなかったということです。
半世紀近い昔の話ですが、これらの詩の言葉は少しも鮮度が落ちていません。人間が変わりようもないから詩は永遠です。
嘘の数、いかさまの量、何一つ変わっていません。
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