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メルボルン大学の研究チーム
<検討課題>
風景を映し出すスクリーンセーバーだけでも、自然を見ると集中力が高まるものだろうか。
40秒間草地を眺めたら実際に成果が出るのだろうか。
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私たちの実験では、こうした40秒という短い休憩で緑に触れること、つまり窓ごしに外の自然を見る、外を歩く、あるいはスクリーンセーバーの緑を見るだけでも、職場での注意力と作業効率を高める効果があるかもしれないということがわかったのです。
緑の屋根を見て注意力が向上するというのは、どういうことでしょう。私たちは自然と結びついているということですか?
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この調査では、自然環境は人に恩恵を与えるという、注意修復理論(ATTENTION RESTORATION THEORY)に注目していました。
この理論によると、もとより自然は魅力的なものなので、人は意識することなく、思わず注目してしまいます。
人が日々の仕事に必要とする注意制御力には頼らないのです。
ですから自然環境を見つめると、注意制御(ATTENTION CONTROL)機能を補充する機会が与えれれます。
私たちは蓄えられている一定量の注意制御機能を絶え間なく使用しているので、これは非常に重要なことです。
40秒という時間枠は、予備調査で被験者に同様な課題を与え、短い休憩の時間が来ると、好きなだけ緑の屋根を見た後に仕事を再開することができるようにしました。
被験者たちが見ていた時間は平均40秒でした。