P58 猪子寿之氏
コピーライト・パッケージ・ビジネスは消滅する。
既存のメディアは、コピーライト(著作権)をもとにしたコピーライト・ビジネスですよね。
少なくともコピーライトを形のあるパッケージにしたビジネスは、すべての産業において消滅するでしょう。
出版や映画などの産業は、そんことを前提に設計し直したほうがいいと思います。
いち早くコピーライト・ビジネスが無くなったのはソフトウェア産業でした。
コピーライト・パッケージ・ビジネスの典型であるマイクロソフトがダメになり、アップル、グーグルが台頭。
希望が持てる所は音楽産業の例。
CDが売れなくなって以降、ミュージシャンの収入は逆に上がっている。
それは、コンサートなどのライブによるものです。
なぜライブが儲かるかは、インターネットを通じてファンとつながりっぱなしで、情報流通コストがかからなくなった。
インターネットが登場する前は、小さなライブではビジネスが成り立たなかった。
例えば5000人を集めるためには不特定多数の100万人に告知しなければいけなくて、膨大なコストがかかった。
それを現在ではほとんどタダで呼べるようになった。
500人のファンから1万ずつもらったら5000万円。
それをコピーライト、印税で儲けようと思ったらどれだけCDを売らなければならないか。
ライブで、ユーチューブでは絶対味わえないような体感を与えることができれば、楽しいからファンは来てくれる。
やり方によっては既存のメディアも生き残れる可能性がある。