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2020年3月16日月曜日

投稿日 2020年3月16日月曜日

■たとえ世界が終わっても (橋本治)参考点の備忘録

ページ21
紀元前から続く拡大思考

「経済圏が大きい方が有利」とか「大きければ商社になれる」という考え方は大体19世紀の帝国主義の時代に隔離したもの
大体19世紀の帝国主義の時代確立
根っこはもっと古くアレクサンダー大王紀元前356年位の大昔から
大昔の大国と言うのはとにかく領土の広さで表された

「国大きくなる」と言うのは今で終わってしまった考え方の歴史古い

昔に大国というのを成り立たせたのは軍事力で、これまた世界史の常識です

ソ連のアフガン侵攻は(「タリバン」を生んだり、アメリカの支援が後のアルカイダやオサマビンラディンにつながっている

ソ連の崩壊がEU成立を後押しした

ページ48
昭和が終わると言う事は1つの時代の終わりであって経済も終わりだった
「経済」って飽和状態に達したら終わると言う話

日本がバブル経済になったのは貿易のおかげですね
どんどん外から入ってきて豊かになり豊かなまままだまだいい子しちゃったのでお金が余って日本はバブルになった貿易がバブルの鍵です

やすかった日本人の賃金水準が上がってバブルを過ぎれば人件費が世界一高いになって人に不利だから海外に工場を移すと言う形になる

海外と言うのはアジア方面でやがては中国進出になるそして産業の空洞化

安い人件費を求める工場の海外移転はこの辺から始まってた

日本の人件費が高くなってバブルの前に輸出が依然として好調だったのでダンピングだとは言えなくなり為替レートの調整をすることになったこれがプラザ合意

ページ53
貿易の自由とは貿易面での戦争の自由

貿易は「西洋人の侵略」で「陰謀」だと思う

「そもそも保護主義の何が問題か」
「自分の国を守る」と言うのは国家の原則

結局貿易の自由化と言うのは「輸出できるもの」を持ってる方が勝ち

結局、貿易ってのは「売れるものを持っているがほうが得」にしかならなくて
「攻める側」の方が輸入の「守る側」よりずっと得
損得は「輸出する側の利益」が前提になっている

貿易は西洋人の陰謀

ヨーロッパに大帝国はなかった

帝国とは「皇帝が統治する国が帝国」
「肯定」というのは普通「複数の王子を従える支配者」

そうなると「帝国」というのは「皇帝の下に複数の王国がある大きな国」となる

「大英帝国」であったのはずのイギリスには皇帝はいないそこのトップは国王または女王

東洋には、イスラムやモンゴルや中国のような大帝国があるけれど、ローマ帝国が滅んだ後のヨーロッパ地域には、そういう大帝国がないんですね。だから、東洋みたいに広い領土を背景にして絶対的な権力を持つ専制君主が、ヨーロッパには存在しない。

日本人の頭の中にあるのはヨーロッパ中心の世界史だから、こういう事はあまりぴんとこないんだけど、ヨーロッパには「大帝国」というのが無い。

して言えばそれをやったのは19世紀の初めのナポレオンだけど、そういうヨーロッパの皇帝は、彼が最初で最後です。

ページ72
19世紀帝国主義とは、「高圧的なセールスマン」

19世紀の「帝国主義」は何なのかっていうと、基本は商売なんですね。

18世紀の半ば過ぎに起こった産業革命を経た国々が、自国の小さなマーケットから溢れちゃう位ものを作りすぎたので、どこかでそれをやらなきゃいけない。で物売る場所があるなら、今度は大量に作り続けるために原材料を仕入れなきゃいけない。そうやって、西洋人が他の国を侵略したり、武力で脅したりしながら、自分たちの「市場」と原材料の供給元を広げていく。そのために他国の領土も占領する。いたってシンプルに言ってしまえばこれが19世紀の植民地主義、帝国主義なんですね。「そういうことがわからないと、西洋に向けて後進国になりますよ」と言う教育を日本人は受けてきたから、これを「良くないこと」と考える習慣がないんです。

ものを作りすぎちゃったから、無理矢理売ろうとしたのが帝国主義ってことですか。手っ取り早く言えばそう。

p91
ユダヤ人の軌跡がヨーロッパの覇権の軌跡

なぜユダヤ人が差別されたか?
彼らの頭が良かったから。
ユダヤ人は遠い昔に世界各地に散っていったが、その散った先でも自分たちの宗教とアイデンティティを守るために結束。
結束して自分たちの子供の教育をしっかりした。
ヨーロッパがまだ野蛮から抜け出したくらいの頃に、ユダヤ人たちは自分の子供たちに基礎教育を与えているから、知的レベルが高かった。
頭の良さで地域の発達に貢献していたら、地元人からコンプレックスで差別されるようになった。
ヨーロッパではまず、スペイン、ポルトガルが発達して、次にオランダになり、最後に大英帝国のイギリスが生まれたのも、そこにいた教育レベルの高いユダヤ人が発展に下支えをして、それが一転裏返って差別されてよその国に移り、それがヨーロッパの栄枯盛衰につながっている。

その昔、ヨーロッパのユダヤ人は「ゲットー」という居住区に住まわされ、ご領主からは、「お前たちは利子を取って金貸ししろ」と条件を出された。
キリスト、ユダヤ、イスラムの3大宗教は利子を取って人に貸すことは禁じられていた行為だった。
宗教的タブーを無理やりさせらたのが金融界の始まり。
ヨーロッパ人は「経済を発展させるためには、金融業者が必要」と気づくようになる。

p95
差別されるユダヤ人と共に、彼らの知恵や金融ノウハウが移動して、「貿易」や「経済」の覇権も移動する。
その最終局面がナチスドイツによる迫害で、ユダヤ人はアメリカに移動して、第二次世界大戦後は、アメリカが覇権国家になる。

第一次世界大戦で負けたドイツの借金をチャラにしようと、ヒトラーのナチス・ドイツが頭角。
第一次世界大戦の戦費で、イギリスもフランスも戦争に参加しなかった金貸し専門国のアメリカから戦費を借りていた。
イギリス、フランスは戦費取返しのために、ドイツに法外な賠償金を要求。
どの困ったドイツにまたアメリカが金貸しを提案してくる構図。

●経済は飽和したら終わるものだ。

p106

戦後の復興が達成されて、ほとんどの日本人が「必要なもの」を手に入れた。みんなが「これで足りたからもいいや」と思って満足してしまったら、その時点で経済的な「成長」も「拡大」も終わってしまう。そこで、無理やり欲望を刺激しえ、「その続き」を作らなきゃいけない段階に入った。