妹尾 河童氏寄稿
ある日、芥川龍之介の「三つの寶」という童話を見つけました。
小学校4年の時に読んだ。大人の本にもルビがふってあった。
旅をしていた王子は盗賊から”身を隠すマント””空を飛べる長靴””なんでも切れる剣”を買います。
三つの宝を手に入れた王子は、町の酒場で王女が悪い黒人のお王と無理やり結婚させられると知り、王女を救おうと城に乗り込みます。
ところが、王子のマントも長靴も剣も実は偽物で、本物の三つの宝を持っていたのは悪い王だったのです。
たちまち王子は窮地に立たされます。
それでも諦めず闘おうとする王子に、
悪い王は、
「三つの宝があれば王女も手に入れられると思っていたけれど間違いだった」
と気づき、謝ります。
そのな王の姿に心打たれた王子もまた、悪い王だと決めつけていたことを詫び、二人は仲直りをします。
僕はその意外などんでん返しがすごく気に入ったんです。