サロメ (岩波文庫) 文庫 – 2000/5/16
<初めての聖書より引用>
洗礼者ヨハネ(John the Baptist)
洗礼者ヨハネは、荒野にいました。イザヤ書が描く、預言者の姿です。
「悔い改めよ、審きの日は近い」
ナザレのイエスも、洗礼者ヨハネから、洗礼を受けています。
イエスはヨハネの弟子だったのです。
でも、それでは、キリスト教としてはちょっと具合が悪いので、あいまいになっています。
洗礼者ヨハネはやがて、ヘロデ・アンティパスに捕まって、首を切られてしまいます。
ヘロデ・アンティパスは、ヘロデ大王の息子の一人で、領地の三分の一を相続していました。
洗礼者ヨハネを離れて、イエスは説教を始めました。
初めのころの説教は「悔い改めよ」という教えで、洗礼者ヨハネとそっくりです。
洗練者ヨハネが捕まったのは、ヘロデ・アンティパスの結婚相手が死んだ兄の妻だったのを、律法に反すると批判したからです。
ヘロデの妻は、洗礼者ヨハネが憎くて頭に来ていました。
娘のサロメが父の前でダンスを踊ったご褒美に、なにが欲しいと聞かれたら、
「洗礼者ヨハネの首が欲しい」と言うのよと、娘に吹き込んだのです。
地下牢につながれていたヨハネは、首を斬られました。
どこまで史実か分かりませんがこの話は、オスカー・ワイルドの「サロメ」という戯曲になっています。岩波文庫で、ビアズリーの挿絵がとっても魅力的です。