モンテ・クリスト伯 痛快世界の冒険文学 (15) 単行本 – 1998/12/16
p319
マクシミリアン。
この世には、幸福もあり不幸もあり、それらは、ひとつの状態とほかの状態との比較にすぎません。きわめて大きな不幸を経験した者のみ、きわめて大きな幸福を感じることができるのです。マクシミリアン、生きることがいかに楽しいかを知るためには、死を一度思ってみることが必要です。では、なつかしいおふたかた、どうか幸福にお暮しください。そして、神が、人間に将来のことまでわからせてくださるであろうその日まで、人間の知恵はすべて次の言葉につきることをお忘れにならずに。
待て、そして希望せよ!
あなたの友なる
エドモン・ダンテス
モンテ・クリスト伯爵
p337
解説 池上冬樹氏の引用
おそらく作者が描きたかったのは、ラストで伯爵が手紙に認めた台詞、すなわち、”この世には、幸福もあり不幸もあり、それらは、ひとつの状態とほかの状態との比較にすぎません。きわめて大きな不幸を経験した者のみ、きわめて大きな幸福を感じることができるのです”という言葉に凝縮されるだろう。
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