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2015年2月5日木曜日

投稿日 2015年2月5日木曜日

読みかじり - 読売(2月5日) イスラムの教えと違う 東大名誉教授 中村廣治郎氏寄稿

イスラムの教えと違う 東大名誉教授 中村廣治郎氏寄稿


ムハマンドの時代は「改宗か死か」の二者択一ではなかった。むしろ異教徒たちを納税によって、その生命と財産と信仰を認めた。

また、神の言葉を記したコーランは殺人を認めていない。ひとりを殺すのは全人類を殺すのと同じであると述べられている。

イスラムで絶対的なものは神。
人間の作るものは絶対化されない。

イスラムは7世紀初めから21世紀の今日までの長い歴史があり、イスラムのあり方は時代や地域によって変わってきている。人の住む環境が変われば、それに合わせて変えるのが思想の流れだ。

宗教とは個々人が神と関係を結ぶことである。
結びかたは人によって異なる。
自分が正しくて相手が間違っていることにはならない。
そのことに気付いたのが近代だ。

ヨルダンもエジプトも近代の国家原理では宗教で人を差別しない。
近代の大方の傾向は、信仰は個人の内面の問題とする。

イスラム教徒の中でも、「近代」と折り合いをつける努力をしてきた人々も多い。

現代世界は多様で宗教も様々あり、互いに認め合わなければ平和共存できない。