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2014年8月17日日曜日

投稿日 2014年8月17日日曜日

読みかじり - 方丈記: 創業90周年企画 (マンガ古典文学シリーズ) 水木 しげる

方丈記: 創業90周年企画 (マンガ古典文学シリーズ) 水木 しげる 


p266 - 巻末 荒俣宏氏からの抜粋


「無常」つまり「がんばっても自然の法則には逆らえない」というキーワードを全面に押し出した。

この世はもう終わりで、どんなに気分が落ち込んでも、最後の最後で「無常」に救われるという決着法だった。
踊り念仏とか極楽往生、また隠者や仙人になることが、希望の光となった。
そして、鴨長明は、そのようなネットワークを支える神職の家柄に生まれた、ある意味での無常系プリンスだったわけだ。

でも、そのような負のオーラがなぜ救済になり得たのか。一言で答えるなら、「無常」とは人生の悲惨や不運といった小さな問題を突き抜けて、じつは「宇宙の法則」である、という悟りだったせいなのだ。
無力と諦めるのではなく、無力であることが宇宙原理だと知ることで賢くなる。