●世界を動かしているのはだれ?
「先生、いくら勉強してもわからないので教えてほしいのですが、この世界を動かしているのは、マヌケそうに見せかけているけれども本当は賢い人間なのか、それとも本当にマヌケな人間たちなのか、どっちなんでしょう?」
彼のこの質問に、多くの人たちが抱いている考えや感情が凝縮されています。この問いに対して、いかなる社会科学もまだ一貫性のある答えを見いだしていません。
今日まで政治理論家はだれ一人として、政治を動かす世の中の仕組みについて満足な説明ができなかったし、政治の未来を正確に言い当てることもできませんでした。マルクス主義者も、資本主義理論家と五十歩百歩で、結局のところ、その分析は正しくありませんでした。
比較階層社会学での私の研究によると、資本主義であれ、社会主義であれ、共産主義であれ、すべての政治体制は、無駄で無能な人間をひたすら蓄積させていくという点で共通しています。
●なぜ問題を解決できないのか?
経済危機や政治危機にもいろいろありますが、一つだけはっきりしていることがあります。それは、さまざまな学識経験者がてんでんばらばらな解決策を提言するということです。
●ボス犬恐怖症コンプレックス
「負け犬だと思っていた犬が、ボス犬になってしまったらどうしよう」という屈折した脅迫関連が働いているのです。
p82
第3章で見たように、従業員が有能かどうかを評価するのは、あなたや私のような利害関係のない第三者ではなく、同じ階層内にいる上司です。潜在的な指導力を持った部下というのは、上司にしてみれば服従しない部下にほかならず、不服従とは無能を意味するのです。
良き服従者は、良き指導者にはなりません。確かに、良き服従者が昇進する可能性はありますが、だからといって良き指導者になるわけではありません。
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ポッドキャストからの引用
技術者として功績があると昇進、課長などに昇進するとマネージメントの仕事になり、マネージメントの能力を発揮できない人が出てくる。
⇒ 無能化する。
人格を否定しているのではなく、仕事に適応できない意味。
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ローレンス ピーターという学者が1969年にピーターの法則を発表。
まさに
会社のような階層社会では、全ての人は現在の地位のおいて有能であれば、昇進する。
いずれは、その人の無能レベルに到達する。
組織に十分な地位、十分な時間があると、全ての人がその人の無能レベルまで昇進して、そこにとどまりつづける。
やがてあらゆる地位は無能レベルのひとで占められる。
誰が仕事をしているのか?
まだ無能レベルに到達していない人が仕事をしている。
▲例)役職の数が多くなる典型的な例が2004年に日立と三菱の合弁会社のルネサスができた。
一つの部署の課長の上に12人の部長クラスが存在。
社員数は27000人のうち部長職が4000人もいた。。。。
良き服従者は、良き指導者にはなりません。確かに、良き服従者が昇進する可能性はありますが、だからといって良き指導者にはなりません。