一生使える国語力―四つの力で文章が読める 単行本 – 2008/11石原 大作 (著)
国語力 - 言葉に表されたものから情報を引き出す力
国語に必要な力
① 一つの分を「誰が」「何を」「どうした」という部分に切り分ける力=構文力
② 言葉を理解し正しく使える力=単語力
③ 論理的なつながりを追いかけることができる力=文脈力
④ 文章読解の前提として求められている知識のセット=常識力
構文 = 「誰が / 何を / どうしたのか」を表すまとまりのこと
主語 (略すときはS) = 「ボクが」「政府は」のように、「は・が・も」が下につき、
その文の「主人 公」や「話題」を表します。
大切なものですが、しばしば省略されます。
目的語 (略すときはO)= 「アンパンを」「地方自治体に」のように「を・に」が下につく言葉です。
主語がああしよう、こうしようと狙いをつけた相手を指しています。
述語(略すときはV) = 「食べる」「命じた」のように、その文の結論を表している言葉です。
日本語では必ず文末に来るので「。」から探すと見つけやすくなります。
・主語/目的語/述語の例
「ゆかいな性格のサザエさんは、お魚をくわえたドラ猫を裸足で追いかけていった。」
↓
「サザエさんは(S)ドラ猫を(O)追いかけていった(V)」が文の骨組みにあたります。
「 / 」を入れると、文の正体がわかる!
「構文力」とは、文章に「/」を入れ、「誰が(は)」 / 「何を(に)」 / 「どうした(どんなだ)」に、
きちんと分けることができる力のことです。
例えば「サザエさんはお魚をくわえたドラ猫を追いかけていった」、という先の分を読み、
この文を
「サザエさんは/お魚をくわえたドラ猫を/追いかけていった」と正しく区切ることができれば、その人は「構文力がある」と言えます。
★文章問題が日本語で書かれているのに、その構造が「英文直訳調」になってしまっているものがある。
その場合は、文構造(S/O/V)を捉え、英語っぽい日本語をもっと自然な日本語に翻訳しなおすような作業が必要になる。
実際に[/]を書き込みながら、まず文の主語と述語を切り離す。
コツは「先に述語から決めていく」ことです。
つまり「。」に注目しましょう。
文の構造は「述語(V)」から考えるのが鉄則です。
「述語」は基本的に文末にあるので、「。」から簡単に見つけられます。
だから、相棒になる「主語」を探すときは、述語と意味のつながるものを探せばいいんです。
それでも述語とのつながりがわかりにくいときは、実際に音読して確かめてみましょう。
(1) = SOV型 この基本の文がわかれば、ほとんどOK
・科学は「いつでもどこでも」成り立つ普遍的な法則を追い求める。
⇒ 科学は/「いつでもどこでも」成り立つ普遍的な法則を/追い求める。
(2) = SOCV型の文(隠れたイコール関係を見抜く)
・フロイトは私たちの内部でうごめくこの不確かなものを無意識と呼んだ。
⇒ フロイトは/私たちの内部でうごめくこの不確かなものを/無意識と/呼んだ。
この文の基本は、「フロイトは(S)」「ものを(O)」「無意識(C)」「呼んだ(V)」です。
ポイントは「~を。。。。。と」の部分です。
ここで初めて出てきた「C]は、英文法で「補語」と呼ばれています。
補語は目的語と同じものを表している、つまりイコールの関係になっているんです。
例えばここでは、「無意識」=「私たちの内部でうごめくこの不確かなもの」というふうに、結べるでしょう?
また、必ずしも「SOCV]の形にならなくても、一文の中に「A=B」が隠れているケースが他にもあります。
「Aは(が)/Bとして」や「Aを/Bとして」の形が典型的なものでしょう。
ここもポイントは「~として」です。
(3)は割愛
★「構文力」のまとめ
複雑な文は「/]を入れて、SOVに切り分けることで、本当に大切な言葉と飾りに過ぎない言葉との区別がつくようになります。
文の構造がわかりにくときは、まず「述語」から考えていくのが鉄則です。評論文と呼ばれる「論理的に自分の考えを伝えようとする文章」では、述語を省略することはめずらしい。
そうやってみつけた文の骨組み(SOCV)をもとにして、残りの部分(飾り言葉ですが、文の形をとる長いものになっているケースもあるので注意しましょう)との関係を考えていくことで、言葉どおしの関係がはっきりします。
「/]を入れるときは、必ず述語(V)から手をつけ、次にそれに合う主語(S)と目的語(O)をみつけること。それ以上「/]を入れるときは、述語につながっていくかどうかを基準にして切っておくこと。これだけ注意できれば、不用意なミスは減るはずです。