「音読」すれば頭がよくなる―一日二〇分!能力はここまでアップする
P48
「新聞の音読を毎朝10分間、これだけでいい!」
読むのはなんでもいいのだが、要は、毎日、飽きずに続けることである。
音読する文章の内容は、分かりやすいものがいい。
面白いことに、よく分からない内容のものでも、とにかく音読をするれば、脳が活性化することがわかっている。
音読はなぜ10分なのかと言うと、時間は経験則による。
「社会人になる学生に、毎朝20分間だけ本を読めと言っています。ただし20分経ったら区切りが悪くてもやめろと。これ以上続けると不思議に長続きしません。」
20分が集中力の限界なのだろう。
黙読では20分間の集中が可能だが、音読では平均的に見て10分間が限界である。
P72
グングン伸びていく子どもとは?
何度も繰り返すが、要するに、脳の中で最も大事なところは、右脳とか左脳とかではなく、その両方にある前頭前野なのである。
学習するときも、前頭前野をたくさん使うことが重要なのだ。前頭前野をたくさん使って学習したその結果を上手に使える人が頭の良い人なのである。
とくに、幼児の場合だと興味を抱かせるという点で、母親が絵本を読み聞かせ、こどもに内容をしゃべらすことが大切なのである。
「ここはこう読むのよ」と教えてあげて、それこそ口真似で声を出させる。こうした時間を1日に20分ほど持つだけで、子どもはグングン伸びていく。同時に母親の脳も成長していく。
P137
持続の秘訣
ところで、同じことの繰り返しはそれが簡単で費やす時間が短くても、結構つらく思われる人が少なくない。
これの解決は、モチベーションのコントロールの問題のみである。
モチベーションというのは前頭前野から発せられる。したがって、前頭前野がしっかり育っていないと、モチベーションのコントロールはできない。
では、どうやってモチベーションをコントロールすればいいのか。
①学習する意味を自覚させる。 - 要はこうなるというゴールを見せてあげることだ。
②競争の原理を採りいれる。 - 過去の自分との競争というのを演出してあげるのがいい。
P151
英語の基礎力は、中学校の強化書の音読筆写で身につく
同時通訳者も、中学2年生用の強化書で達人に
TOEIC900点以上の高得点者何人かに、学習法を尋ねたことがある。
彼らは皆、外国に行った経験が無い。
彼らに共通していたのは、喉がカラカラになるまで音読を重ねたことであった。
私はタイム・ライフ教育システムという会社に勤務したことがあるのだが、
そこでネィテイヴのライティングプロに、
「どうしたら英文を書けるようになりますか」
と問うた事がある。
彼の答は
「Write as you speak」だった。
つまり、声を出して話すように書きなさいというのである。
P155
▲音読を何百時間もやったが、いっこうに上手にならないという人がいた。
彼はお手本としてのテープを聴いていなかった。
発音を確認して自分の声を重ねてみないと、間違った発音のまま頭の中に刷り込んでしまう。
その彼には、発音を確認してからの音読と、意味の分かった英文をノートに5回ずつ書くことをすすめた。
英語の学習法は2つに大別されるようだ。
1つは、通訳系の先生方が言っている、やさしい素材でトレーニングする方法(例えば速読)。
もう1つは、おもに学者の方々が主張する、教養も高めるために難易度が高い素材を精読する方法である。
★国広先生は音読には「意味の分かった英文を」とおっしゃっている。
P171
私の場合、音読を続けていくうちに、これで英語が使えると確信したのは、
「現在完了形」がわかったときだ。
現在完了というのは、英語学習のひとつの壁だと思う。
「have」は「持つ」の意味で、英語学習の初期に出合う。
ところが、現在完了形での「have」はオリジナルの意味を持っていない。
現在完了は目の前にそびえる、高くて大きな障壁だ。
私は多くの例文を繰り返し音読して筆者した。
それで、現在完了というものが理解できるようになった。
そのとき、重く垂れこめていた雲がすっと消え、青空が現れたような感じがした。