・投資で満足のいくリターンを得るのに、専門家である必要はない。しかし、そうでないなら、自分の限界を自覚し、ある程度うまくいくことが確実な道を選ばなければならない。物事をシンプルにとどめ、ホームランを狙ってフルスイングしてはならない。
・投資を検討している資産の将来の生産性に焦点を当てよ。もし将来の収益を大まかにでも見積もることができないなら、その案件は忘れよ。
・もしあなたが投資を検討している資産の将来的な値上がりに期待しているなら、それは投機だ。投機自体は悪いことではないが、投機で持続的に成功できると主張する人々に私は懐疑的だ。コイン投げでは最初のトスで半分の人が勝つが、コイン投げを続けて勝ち続けられる人はいない。
・2度の不動産投資において、私が考えたのはその資産が何を生み出すかということだけで、日々の評価額は気にしなかった。試合で勝つのは競技に集中している選手で、スコアボードに目を釘付けにしている選手ではない。
・マクロ経済の分析をしたり、他人の経済見通しや市場予測を聞いたりするのは時間の無駄だ。むしろ、本当に重要な事実に対する洞察力を鈍らせることになる。
▲不動産投資と株式投資には大きな違いがあります。株式投資の場合は評価額がリアルタイムで分かってしまいます。株を保有していると、他の株主の気まぐれで不合理な行動につられて、自分も不合理な行動を取ってしまうことがあまりにも多い。
ですが、急激な相場変動が起きても、その資産が本来持つ生産性に影響を与えることはまずありません。むしろ市場の暴落は投資家にとって助けとなることもあります。価格が将来の価値に全く見合っていないような場合です。投資に際しては、恐怖感が漂う風潮はあなたの友になり、熱狂している状態はあなたの敵となるでしょう。
・私が株を買うときは、まず今後5年間かそれ以上の期間の利益の変動幅について理にかなった評価ができるかどうかを検討します。その答えが「イエス」の場合、評価した利益の下限に対して妥当な価格で売りに出されていれば、株を買い入れます。しかし、もし将来の利益を評価できない場合は、すぐに別の投資対象の検討に移ります。
マクロ経済や政治状況、他人の意見をもとに意思決定をしたことは一度もありません。
・プロでない投資家は、勝ち銘柄を選び出すことを目標にすべきではありません。むしろ、全体で良い結果をもたらすような、幅広い業種の株を保有すべきです。S&P500指数に連動した、手数料の低いインデックスファンドが最適でしょう。
また、投資するタイミングも需要です。最も大きな危険は、気弱な投資家や初心者がバブル市場に飛び込み、評価損が出たときに失望して売ってしまうことです。
「強気市場とはセックスのようなものだ。終わる直前に最高の気分になる」という故バートン・ビッグスの言葉があります。
タイミングを見誤らないためには、長期にわたって株を持ち続けること、そして状況が悪化して株価が大幅に下がっても売却しないことです。
何も知らない素人投資家でも、この原則に従って投資を分散し、コストを最小限に抑えれば、ほぼ確実に満足のいく結果が得られます。それどころか、経験豊かなプロよりも長期的に見れば高いパフォーマンスを見せるでしょう。
私が遺言書で指定した、管財人へのアドバイスはとてもシンプルです。
現金の10%を米国短期国債に、90%を低コストのS$P500インデックスファンド(お勧めはバンガードのファンド)に投資せよということです。
回答者:ウォーレン・バフェットさん