「ブロックチェーンは観光産業を変える」ロシア連邦観光局長官
 ロシア連邦観光局長官オレグ・サファノフ氏は、11月初頭に開催された業界イベントでのスピーチで、同国の観光産業はブロックチェーンのような新興テクノロジーによって変革を迎えつつある、と述べた。
同氏によると、ブロックチェーンを使って観光客がサービス提供者と直接取引できるようになれば、仲介業者は必要なくなる。一方で、「連邦観光局はブロックチェーンがいずれ観光市場を大きく変えると確信しているが、それは5年から10年のタイムスパンの間に起こると考えている。この間、観光サービス品質は向上し、より安価になるが、同時にサービスの提供者自身の責任はより重大になるだろう」とした。

ブロックチェインと仮想通貨に関するロシアの立場
 ロシア政府のブロックチェーンに対する見解と、デジタル通貨についての見解は対照的だ。
 仮想通貨取引活動に対しては慎重なアプローチを採用しているが、ブロックチェーン技術については、国営銀行が現在イーサリアムの活用を検討しているように、積極的な見解を示している。
 例えば17年10月、ロシア政府は18年初頭にも土地登記システムにブロックチェーンを活用したパイロットプロジェクトを進める計画であることを発表。経済開発省の決議案によると、同技術の使用は国の財産登録に関する情報公開を高める。ブロックチェーンの導入は、不動産の登録簿上の情報の入手を容易にすると同時に、不動所有者の権利保護の保証や、不動産所有権移転等の手続きへの市民の信頼水準の向上を目的としている。